逢瀬日記


                                         立花吾朗さん 


 お付き合いが始まった彼とは、月に一回位のペースで逢うことにしていた。    

 彼は5歳年長、会社では相当部分の業務は部下に譲り、余裕のある悠々の勤務

で時間も自由裁量も可能な自適そのものだった。                     

 人間暇があれば自ずと邪念が湧いてくるもの、当初は頻繁にお誘いを受けていた

が、ものには適度もあり月に一度ペースに設定したのだった。とはいっても、呼吸が

合えば待ちきれずに臨時に割り込ませることもあったが……。

その間はメールでの情報やら画像交換も、実践までの繋ぎとしては重要なものとなっ

ていた。待ち時間が長いほど、逢いたい気持ちが高揚するものである。

いつしか年長の彼をハーさんと呼び、僕の方はターさんと呼ばれ親しみが強固なもの

になっていった。

 閨以外では、人生の先輩であるハーさんには常に敬意を持って接し、勤務先が異業

種の二人は各々の業界の話など参考になることも多く、飲み屋では全国の銘酒を飲

み比べたり、会員制バーでは懐メロで当時の思い出話も交えて喉の披露したりして和

気藹々の時間も共有出来て、次のデイトの日が待ち遠しかったことが今も記憶に鮮

明である。
  
 一旦ホテルに入ったならば、能動・受動の各々の役割を十二分に承知の上、ただ

ひたすらその世界に身を投ずることは習慣となっていた。

 互いに望んでのこの位置関係、違和感など全くなく没頭できるのである。
                                            
 アナルへの挿入は当初円滑には運ばなかった。ハーさんは好いた人のものを受

け容れたいという強い思いと、菊門は口を噤んでいるかのような現実とがあって、そ

の狭間で何とか達成しなければという強い姿勢が、双方の協力で結果を出そうとした

のだった。

 亀頭環が邪魔をしてすんなりとは呑みこんでくれない。繰り返し施した指による入

口の拡張で何とか納まっても激痛が走り、激しい運動は控えじっと痛みの遠のくのを

待った。

 ハーさんは、痛みで挿入を拒む気持ちにもなったと言っていたが、我慢に耐えた

のは懸命に慣らせようとしているタチの姿勢に、ここは試練と決めその先に待つ桃源

郷を描いていたとのこと。

 やかで、菊門から暗闇へと徐々に突き進んでしっかりと根元までも完全に埋没さ

せて、ようやく二つの物が一つに合体したのだった。しかも優しくじっくり時には激しく。

 道さえつけば、一頃の痛みによる拒絶反応から、逆に欲しい求めたいへと変化し

ていくのは自然の理。需要と供給の関係で、求められれば、戯れに少し焦らしたり遠

回りしたりしてその様子見なども楽しみなものとなっていった。

 そうこうしながら、原則月一の逢瀬では、互いが好ましい愛の性技とその運びでゆ

っくりと時間を過ごすことで、時計の針が早く回っていると感じながら、精を吐き出した

後のすっきり感と心地よい疲労を共有して終わりにし、次の楽しみの会場へと移動し

て一時を過ごしたものだった。                    (終)




トップ アイコン目次へもどる      「男大好き・体験」へもどる
inserted by FC2 system